2025-12-15京都祇園の事始めとは?花街で行われる新年準備の伝統行事

EYE-2025-12-15-JPN 朝食に感謝
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December 15, 2025.
2025(ねん)12(がつ)15(にち)

Today, I’d like to introduce you to Kotohajime, a quiet and beautiful traditional event held in Kyoto’s Gion Hanamachi district.
今日(きょう)は、京都(きょうと)祇園(ぎおん)花街(はなまち)(おこな)われる(しず)かで(うつく)しい伝統(でんとう)行事(ぎょうじ)事始(ことはじ)め」についてご紹介(しょうかい)します。

It’s a quiet and beautiful traditional event that makes you feel as if the new year has already begun.
(じつ)は、新年(しんねん)がもう(はじ)まっているかのような、(しず)かで(うつく)しい伝統(でんとう)行事(ぎょうじ)なのです。

From the 13th to the 15th, geisha and maiko from the Gion Hanamachi district travel around to each of their Teahouses and Tatami-rooms to pay their respects.
13(にち)から15(にち)にかけて、祇園(ぎおん)花街(はなまち)芸妓(げいこ)さんや舞妓(まいこ)さんが、それぞれのお座敷(ざしき)やお茶屋(ちゃや)参拝(さんぱい)するために巡回(じゅんかい)します。

Kotohajime is an important milestone for preparing their minds and arts for the new year.
この「事始(ことはじ)め」は、新年(しんねん)()けて(こころ)(げい)(ととの)える大切(たいせつ)節目(ふしめ)です。

It’s a uniquely Japanese culture that conveys the determination to “do our best this year.”
今年(ことし)頑張(がんば)ろう」という決意(けつい)(つた)える、日本(にほん)ならではの文化(ぶんか)です。

While not a flashy festival, it adds a solemn atmosphere to winter Gion and marks the quiet start of the year in the Hanamachi district.
派手(はで)(まつ)りではありませんが、(ふゆ)祇園(ぎおん)(おごそ)かな雰囲気(ふんいき)()え、花街(はなまち)一年(ひとねん)(しず)かに(はじ)まるのです。

It’s a moment when you can experience the depth of Kyoto, something you rarely get to see on a sightseeing trip.
観光(かんこう)旅行(りょこう)ではなかなか()ることが出来(でき)ない、京都(きょうと)奥深(おくぶか)さが(かん)じられる瞬間(しゅんかん)です。

By the way, the vegetable that’s in season right now is daikon radish.
ちなみに、(いま)(しゅん)野菜(やさい)大根(だいこん)です。

It warms the body, making it perfect for breakfast.
(からだ)(あたた)めるので朝食(ちょうしょく)にぴったりです。

Thank you for breakfast.
朝食(ちょうしょく)ありがとう。

Thank you for your support and ratings.
応援(おうえん)評価(ひょうか)(よろ)しくお(ねが)(いた)します。

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🌸 事始め:京都・花街の新年準備と伝統

📅 事始めの主な関連情報

項目詳細
日付12月13日(京都の花街の慣例)
場所祇園甲部、祇園東、先斗町(ぽんとちょう)、宮川町、上七軒(かみしちけん)の五花街など
目的新年の準備を始めること、日頃の師匠やお茶屋への感謝と挨拶、新年の精進を誓うこと。
主な行為お礼参り(おねがいもうし):芸妓さん・舞妓さんが、お世話になっているお茶屋や舞踊・鳴物の師匠宅を訪ねて挨拶回りを行う。
縁起物鏡餅(お餅)や、正月の縁起物の(やなぎ)の枝に餅花をつけた餅花(もちばな)などが贈られる。

🎁 鏡餅と餅花に込められた意味

芸舞妓さんが師匠宅やお茶屋を訪れた際に受け取る縁起物には、特別な意味が込められています。

  • 鏡餅
    • 師匠から弟子へ、一年の精進への感謝と、来年への激励の気持ちを込めて贈られます。
  • 餅花(もちばな)
    • 柳の枝に小さく丸めた紅白のお餅をつけた飾りです。冬に花の少ない雪国や山間部で、稲の豊作を願うために飾られたのが始まりとされます。
    • 花街では、これが「稽古始め」(新年最初の稽古)まで床の間などに飾られ、芸の上達と福を招く縁起物とされています。

🗣️ 交わされる挨拶

事始めの日に交わされる定型的な挨拶も、この行事の静かで美しい特徴の一つです。

  • 弟子から師匠・お茶屋へ
    • 「おめでとうさんどす(おめでとうございます)。相変わりませず、よろしゅうおたの申します(来年も変わらず、よろしくお願いいたします)」
  • 師匠・お茶屋から弟子へ
    • 「おきばりやす(お精出しください、頑張ってください)。」
    • 「よろしゅうおたの申します。」
    • (鏡餅などを渡しながら)「どうぞ、お餅召し上がって、お稽古おきばりやっしゃ。」

👘 現代の事始め

記事にある通り、13日から15日にかけて各花街の芸舞妓さんが、冬の寒さの中、美しい着物姿で京都市内の師匠やお茶屋を巡る光景は、京都の師走の風物詩です。

観光客が多く訪れる場所でも、この時ばかりは緊張感のある厳かな雰囲気に包まれます。この伝統行事は、花街の人々にとって「芸事を重んじる心」を新たにする、一年で最も大切な節目の一つとされています。

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❄️ 京都の冬の行事と花街の関連文化

👘花街の「事納め」

事始めが新年の準備を始める日であるのに対し、花街には一年の芸事を締めくくる「事納め」の習慣もあります。

  • 日程の目安: 12月中旬〜下旬にかけて、各花街や個々のお茶屋・置屋で執り行われます。
  • 内容:
    • その年最後の芸事の稽古を終えます。
    • この日、お茶屋や置屋、師匠宅などに芸舞妓さんが集まり、一年の労をねぎらう静かな宴が開かれることがあります。
    • 来年の「事始め」までの期間(年末年始)を、心身ともに休養し、新年に備えるための大切な区切りとなります。

🎭稽古始めと新年のお見舞い

事始めで新年の準備を始めた芸舞妓さんは、新年を迎えると再び稽古に励みます。

  • 稽古始め(けいこはじめ):
    • 一般的には1月4日に行われます。
    • この日、芸舞妓さんは師匠宅を訪れ、新しい年の最初の稽古を行います。事始めでいただいた鏡餅を割って(切ることは縁起が悪いとされるため)、お雑煮やぜんざいにして皆でいただく風習が残っているところもあります。
  • 新年のお見舞い(おねがい):
    • 新年には、事始めと同じように、芸舞妓さんがお茶屋や師匠宅、日頃お世話になっている関係者へ「新年のお見舞い」の挨拶回りを行います。
    • 「おめでとうさんどす」「今年もよろしゅうおたの申します」と、新しい年の始まりを告げる挨拶が交わされます。

🔥祇園の年末年始の風物詩

花街の行事ではないものの、この時期の京都の重要な行事が、祇園にも近い場所で行われます。

  • 八坂神社の「をけら詣り(をけらまいり)」
    • 日程: 12月31日(大晦日)の夜から1月1日の未明にかけて。
    • 内容: 八坂神社で焚かれたをけら火を、持ち帰りのための縄に燃え移してもらい、家に持ち帰って神棚の灯や、お雑煮を炊く火種にする伝統行事です。この火で料理をすると一年を無病息災で過ごせると信じられています。
    • 冬の夜の祇園を、をけら火の縄を回しながら帰る人々の姿は、京都の静かで厳かな年末の風物詩です。

🌸 京都 五花街の特徴

花街名所在地(目安)特徴と歴史
祇園甲部(ぎおんこうぶ)東山区(四条通南側、八坂神社周辺)五花街の中で最大規模を誇る花街。長い歴史と伝統を持ち、格式が高いとされています。京舞井上流の本拠地であり、毎年春に行われる「都をどり」は有名です。観光客が最も多く訪れる地域に位置します。
祇園東(ぎおんひがし)東山区(祇園甲部の北側、新橋通・白川周辺)祇園甲部から分離して成立した花街で、規模は五花街の中で最小です。落ち着いた雰囲気が特徴で、春に「祇園をどり」が行われます。情緒あふれる白川の景観に隣接しています。
先斗町(ぽんとちょう)中京区(鴨川と木屋町通の間)鴨川沿いの細長い通りに位置し、細い路地の景観が特徴です。比較的若い芸舞妓さんが多く、洒落た雰囲気があります。毎年春に「鴨川をどり」が開催されます。
上七軒(かみしちけん)上京区(北野天満宮東門前)最古の歴史を持つ花街とされます。応仁の乱の時代に、北野天満宮再建の際に出た残材で七軒の茶屋を建てたのが始まりと言われます。比較的こぢんまりとしており、落ち着いた雰囲気です。春に「北野をどり」が行われます。
宮川町(みやがわちょう)東山区(鴨川東岸、宮川筋)出雲阿国ゆかりの地とされ、元々は劇場(芝居小屋)街として栄えました。五花街の中では活気があり、比較的庶民的な雰囲気が残っているのが特徴です。春に「京おどり」が開催されます。

📝 五花街の豆知識

  1. 「おどり」の開催:

各花街は毎年春に独自の「をどり(舞踊公演)」を開催し、その芸を披露します。これが花街にとって最も重要な年中行事の一つとなっています。

  1. 芸の流派:

それぞれの花街には、主に継承されている京舞の流派があります。

  1. 祇園甲部:井上流(京舞の宗家として特に有名)
  2. 先斗町:尾上流
  3. 宮川町:若柳流
  4. 上七軒:花柳流
  5. 祇園東:藤間流
  6. 呼び名:

芸妓さんや舞妓さんが働く場所を総称して「花街(かがい)」と呼びますが、京都では「花街」よりも「お茶屋」「お座敷」「置屋」といった言葉がよく使われます。

🍵 京都の年末の活気ある行事と冬の味覚

1. 賑わいの年末行事:終い天神と終い弘法

祇園の花街の静かで雅な事始めとは対照的に、京都の庶民は年末に大きな市で賑わいます。

A. ⛩️ 終い天神(しまい てんじん)

  • 日程: 12月25日
  • 場所: 北野天満宮(上七軒の近く)
  • 内容:
    • 学問の神様である菅原道真公を祀る北野天満宮では、毎月25日に大規模な縁日が開かれます。その年最後となる12月の縁日を「終い天神」と呼びます。
    • 境内には、正月飾りやしめ縄、鏡餅、千両(縁起物)を売る露店が所狭しと並び、お正月を迎える準備の買い物客で大変賑わいます。
    • 特に上七軒の芸舞妓さんも、この市で正月飾りを買い求める姿が見られることもあります。

B. 📿 終い弘法(しまい こうぼう)

  • 日程: 12月21日
  • 場所: 東寺(教王護国寺)
  • 内容:
    • 弘法大師・空海の命日である毎月21日に開かれる縁日(弘法さん)の、年内最後の日が「終い弘法」です。
    • 東寺の境内には、骨董品や衣類、食べ物から正月用品まで、約1000店もの露店が並び、京都最大の賑わいを見せます。
    • 古いものや珍しいものを探す人、新年の準備をする人でごった返し、京都の師走の活気を感じられる場所です。

2. 🍲 京都の冬の味覚(京料理)

冬の京都は厳しい寒さで知られますが、その寒さから生まれる滋味豊かな食材や、温かい料理文化があります。

A. 🍶 蕪蒸し(かぶらむし)

  • 特徴: 冬の京料理を代表する一品です。
  • 内容: すりおろした蕪(かぶ)をメレンゲと合わせてふんわりと仕上げ、その中にぐじ(甘鯛)やエビ、銀杏などの具材を入れます。これを蒸し上げ、だしをかけた餡(あん)をかけていただきます。寒さで甘みが増した蕪と、温かい餡が体を芯から温めます。

B. 🦀 蟹料理(かにりょうり)

  • 特徴: 京都は海に面していませんが、地理的に日本海側から新鮮な海産物が運び込まれます。
  • 内容: 冬は特に松葉ガニ(山陰地方で獲れるズワイガニ)が珍重されます。京料理店や料亭では、茹で蟹、焼き蟹、蟹刺し、蟹雑炊など、贅沢な蟹料理が提供されます。

C. ♨️ 湯豆腐・湯葉

  • 特徴: 寺社が多く精進料理の文化が根付く京都で、良質な水と大豆から作られる豆腐は一年中食されますが、温かい湯豆腐は冬に格別です。
  • 内容: 湯豆腐発祥の地とされる南禅寺周辺などでは、冬の間、温かい湯豆腐が名物として提供されます。また、大豆から作られる湯葉も、京都ならではの繊細な味覚です。

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