もし、よろしければ英語を声に出し繰り返してみて下さい。
December 8, 2025.
2025年12月8日。
This may seem sudden, but did you know there’s a mysterious ritual in which broken needles are “pricked into tofu as a memorial?”
突然ですが、折れた針を「豆腐に刺して供養する」という不思議な儀式があることをご存知ですか?
Today, we’ll introduce you to the traditional needle memorial service, a ritual held in western Japan.
今日は、西日本で行われる伝統的な儀式「針供養」をご紹介します。
A needle memorial service is an event held to express gratitude for the broken or bent needles used in sewing.
針供養とは、裁縫で使った針が折れたり曲がったりした時に、「今までありがとう」と感謝の気持ちを込めて供養する行事です。
A typical example is Kokuzo Horin-ji Temple in Arashiyama, Kyoto.
代表的な場所として、京都・嵐山の虚空蔵法輪寺が挙げられます。
This temple is famous for its “Jusan Mairi” (13th visit to the shrine), but it’s actually known nationwide for its needle memorial service.
この寺は「十三参り」で有名ですが、実は全国的にも針供養で知られています。
The origins of this event date back to ancient times, when needles once used in the Imperial Court were offered as a memorial.
この行事の起源は古代にまで遡り、かつて宮中で使われていた針を供養したことが起源と言われています。
To this day, the custom of offering needles donated to the Imperial Family continues.
現在でも、皇室に奉納された針を供養する習慣が続いています。
This day is also known as “Needle Rest Day,” when worshippers take a break from needlework and offer soft tofu or konjac as an offering.
また、この日は「針休めの日」でもあり、参拝者は針仕事を休み、柔らかい豆腐やこんにゃくに針を刺して奉納します。
Pricking the needle into something soft rather than something hard expresses the kind feeling of wanting to let the needle rest in peace one last time.
硬いものに針を刺すのではなく、柔らかいものに刺すことは、「針を最後にもう一度安らかに休ませてあげたい」という優しい気持ちの表れです。
Furthermore, at Horin-ji Temple, a spectacular ceremony is held in which women dressed in Nara period costumes perform the “Orihime Dance,” and the temple grounds bustle with worshippers.
さらに、法輪寺では、奈良時代の衣装をまとった女性たちが「織姫の舞」を奉納する華やかな儀式が行われ、境内は参拝者で賑わいます。
This is a quiet and refined traditional Japanese culture.
静かで洗練された日本の伝統文化。
Perhaps now more than ever we need to take time to be grateful for the tools we use every day.
日々使う道具に感謝する時間を、今の私たちにこそ必要かもしれません。
Now is the season for delicious winter vegetables.
今は冬野菜が美味しい季節です。
Daikon radish miso soup makes the perfect breakfast.
大根の味噌汁は最高の朝食です。
Stay warm and have a wonderful day.
暖かくして、素敵な一日をお過ごしください。
🧵 針供養(はりくよう)
1. 🗓️ 針供養の日付
- 一般的な日付: 針供養が行われる日は、地域や寺社によって異なりますが、主に2月8日または12月8日の年2回行われます。
- 2月8日: 関東地方(例:東京・浅草の淡島堂、護国寺など)に多く見られます。
- 12月8日: 関西地方(例:京都・法輪寺、和歌山・淡嶋神社など)に多く見られます。
- 「事始め」と「事納め」: かつて農耕が中心だった日本では、2月8日を「事始め(ことはじめ)」、12月8日を「事納め(ことおさめ)」として、農作業や生活の節目としていました。この日に針仕事を休む「針休め」の習慣が結びついたと考えられています。
2. 📍 代表的な寺社
記事で紹介されている京都・法輪寺の他にも、針供養で有名な寺社が全国にあります。
| 地域 | 寺社名 | 特徴 |
| 京都 | 虚空蔵法輪寺(こくうぞうほうりんじ) | 嵐山に位置し、記事にもあるように12月8日に針供養が行われます。 |
| 東京 | 護国寺(ごこくじ) | 2月8日に大勢の参拝者が訪れ、豆腐やこんにゃくに針を刺して供養します。 |
| 和歌山 | 淡嶋神社(あわしまじんじゃ) | 雛流しでも知られ、針供養の発祥地の一つとも言われています。 |
| 大阪 | 四天王寺(してんのうじ) | 2月8日に針塚供養が行われます。 |
3. 🔪 豆腐やこんにゃくに刺す理由の深掘り
- 感謝と休息: 記事にもある通り、「硬い布を刺し続けた針を、最後に柔らかい場所で休ませてあげる」という、道具への深い感謝とねぎらいの心が込められています。
- 「針休め」: この日は針仕事をしないとされており、手を休め、折れた針を供養することで、裁縫の上達を願う意味もあります。
4. 🔗 関連する行事・文化
- 人形供養: 針供養と同じように、日々の生活で使われた道具や、役割を終えたものに感謝し、供養する日本の文化の一つとして、「人形供養」があります。
- ものに宿る魂: 日本では古くから、あらゆる道具や自然物には魂が宿るという考え方(アニミズム)があり、針供養も、日用品を単なる「モノ」としてではなく、長く使ってきた「パートナー」として扱う精神文化に基づいています。
📌 1. 京都・虚空蔵法輪寺(こくうぞうほうりんじ)の針供養の歴史
🏛️ 起源と背景
法輪寺の針供養は、記事にもある通り、古代の宮中儀式にルーツを持つ非常に歴史ある行事です。
- 起源: かつて宮中で行われていた、使い古した針を供養する風習が起源とされています。
- 皇室との関わり: 現在も、皇室に献上された針を供養する習わしが続いており、他の針供養の寺社と比べても、その格式の高さと歴史の深さが特徴です。
- 本尊との関連: 法輪寺は、知恵と福徳を授ける虚空蔵菩薩(こくうぞうぼさつ)を本尊としています。古来より、虚空蔵菩薩は裁縫や工芸の守護仏としても信仰されており、針供養と深く結びついています。
📅 法輪寺の特徴
- 実施日: 記事の通り、12月8日に行われます。これは主に京阪神地方で見られる日程です。
- 儀式:「織姫の舞」
- 奈良時代の衣装をまとった女性たちが、針供養を奉納する華やかな「織姫の舞」が執り行われます。これは、裁縫技術の向上と感謝を込めた独自の儀式であり、多くの参拝者を魅了しています。
- 供養方法: 古い針や折れた針を、感謝の気持ちを込めてこんにゃくや豆腐に刺して奉納します。これは、針に安らかな休息を与えるという意味が込められています。
🗾 2. 他の地域(関東など)の針供養の特徴の比較
針供養は日本全国で行われますが、主に開催日と地域性の結びつきに違いが見られます。
📅 関東地方の主な特徴
関東地方では、主に2月8日に針供養が行われます。
| 特徴項目 | 関東地方(2月8日) | 関西地方(12月8日) |
| 主な実施日 | 2月8日 | 12月8日 |
| 日程の背景 | 「事始め」として農作業や生活を始める節目 | 「事納め」として一年の作業を終える節目 |
| 代表的な寺社 | 東京・護国寺、浅草寺淡島堂など | 京都・法輪寺、和歌山・淡嶋神社など |
| 供養物 | 豆腐やこんにゃく、藁苞(わらづと)を使う場所もある | 豆腐やこんにゃくが一般的 |
関東の代表例:護国寺(東京)
- 日程: 毎年2月8日
- 儀式: 護国寺の針供養は非常に有名で、多くの参拝者が、持参した古い針を大きなこんにゃくや豆腐に刺して供養します。
- 意義: 新しい年の裁縫技術の上達と、折れてしまった針への感謝を込める行事として、多くの和裁や洋裁に携わる人々が訪れます。
💡 日付が異なる理由
日付が2月8日と12月8日に分かれているのは、昔の生活暦である「事始め」と「事納め」の風習と結びついたためと考えられています。
- 2月8日(事始め): 冬の寒さが厳しくなり、春に向けて徐々に活動を再開する時期であり、裁縫を始める前の安全祈願の意味合いが強かった可能性があります。
- 12月8日(事納め): 一年間の活動を終える時期であり、針仕事を終えて感謝とねぎらいを込める意味合いが強かったと考えられます。
地域によって、どちらの節目を針供養の日に選んだかという違いが、現代にも引き継がれていると言えます。
🌸 虚空蔵法輪寺の「十三参り」
法輪寺の「十三参り」は、関西地方、特に京都で七五三と並ぶ重要な通過儀礼として古くから受け継がれている行事です。
1. 🌟 行事の意義と目的
- 智恵と福徳を授かる: 数え年で13歳になる男女が、大人の仲間入りをするにあたり、本尊である虚空蔵菩薩(こくうぞうぼさつ)に参拝し、智恵と福徳を授けてもらうための祈願をします。
- 厄払い: 13歳は人生の節目であり、厄年の一つとされていたため、厄難を払い、これからの幸福な人生を祈る意味合いもあります。
- 技芸上達: 虚空蔵菩薩は智恵だけでなく、技芸(芸術や技術)の守護仏でもあるため、芸能や学問の上達も祈願されます。
2. 📅 参詣の時期
十三参りは、本来は旧暦の3月13日を中心に行われていましたが、現在では学校の休暇に合わせて参詣できる期間が設けられています。
| 時期 | 期間 | 備考 |
| 春 | 3月13日〜5月13日 | 4月13日を中日(中心日)とする期間。小学校卒業、中学校入学の祝いを兼ねることが多いです。 |
| 秋 | 10月〜11月 | 最近では、春に来られない人のために秋にも参詣期間が設けられています。 |
※ご祈祷は上記の期間以外でも受け付けている場合がありますが、上記期間中が特に賑わいます。
3. 🚶♀️ 特徴的な習わし:「渡月橋を渡り切るまで振り返ってはならない」
法輪寺の十三参りには、非常に有名な古くからの習わしがあります。
- 習わしの内容: 虚空蔵菩薩から智恵を授かった後、本堂を出て、嵐山の渡月橋(とげつきょう)を渡り終えるまで、決して後ろを振り返ってはならないとされています。
- 意味合い: もし振り返ってしまうと、せっかく授かった智恵を虚空蔵菩薩に返してしまうと伝えられています。これは、子供が大人としての自覚を持ち、一つの目標(橋を渡り切ること)を達成するまで、決意を貫き通すという精神的な修行や通過儀礼の意味が込められていると考えられます。
4. 👘 服装
参拝する子どもたちは、成人の仲間入りという意味で、正式な装いで参拝することが多いです。
- 女の子: 未婚女性の正装である振袖、または袴姿。
- 男の子: 大人の男性の正装である羽織袴。
十三参りは、成長した喜びと、これから大人としての人生を歩む決意を固める、京都の伝統文化を色濃く残す美しい行事です。


