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❄️ 2025-12-06 金沢・長町武家屋敷跡のこも掛け作業とは?冬の伝統を守る技

EYE-2025-12-06-JPN 朝食に感謝
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December 6, 2025.
2025(ねん)12(がつ)6()

This beauty is actually a “preservation technique.”
この(うつく)しさは、(じつ)は「保存(ほぞん)技術(ぎじゅつ)」なのです。

At the Nagamachi Samurai Residence Site in Kanazawa, traditional work begins with the arrival of winter.
金沢(かなざわ)長町(ながまち)()家屋敷(いえやしき)(あと)では、(ふゆ)到来(とうらい)とともに伝統的(でんとうてき)作業(さぎょう)(はじ)まります。

The “komokake” work, which protects the earthen walls from snow, has begun again this year.
土壁(つちかべ)(ゆき)から(まも)る「こもかけ」の作業(さぎょう)が、今年(ことし)(はじ)まりました。

This is not just a protective job.
これは(たん)なる保護(ほご)作業(さぎょう)ではありません。

The walls are carefully wrapped in straw to prevent them from collapsing under the weight of the snow.
土壁(つちかべ)(ゆき)(おも)みで(くず)れないように、(わら)丁寧(ていねい)(つつ)まれていきます。

It’s as if the entire town is preparing for winter.
まるで(まち)全体(ぜんたい)(ふゆ)準備(じゅんび)(ととの)えているかのようです。

In fact, this work is the culmination of wisdom that has been passed down since the Edo period.
(じつ)は、この作業(さぎょう)江戸(えど)時代(じだい)から()()がれてきた知恵(ちえ)集大成(しゅうたいせい)なのです。

The straw has three functions: insulation, waterproofing, and protection.
(わら)には、断熱(だんねつ)防水(ぼうすい)、そして保護(ほご)という3つの役割(やくわり)があります。

It’s all done by hand, with not even the slightest deviation allowed.
すべて手作業(てさぎょう)(おこな)われ、わずかな(くる)いも(ゆる)されません。

Of particular note is the sound of the straw being tightened.
(とく)注目(ちゅうもく)すべきは、(わら)()められる(おと)です。

The “squeak” of tightening the straw and the quiet breathing of the craftsmen.
(わら)()める「キュッ」という(おと)と、職人(しょくにん)たちの(しず)かな息遣(いきづか)い。

Even from this scene, you can feel the winter air.
この光景(こうけい)からも、(ふゆ)空気(くうき)(かん)じることができます。

The three-dimensional effect of the thatched roof stands out, and the shadows of the earthen walls create the atmosphere of a samurai residence.
茅葺(かやぶ)屋根(やね)(りっ)体感(たいかん)際立(きわだ)ち、土壁(つちかべ)陰影(いんえい)武家(ぶけ)屋敷(やしき)雰囲気(ふんいき)(かも)()しています。

Thatching is not just a way to protect against the cold.
茅葺(かやぶ)きは(たん)なる(さむ)対策(たいさく)ではありません。

It is said to be a ritual that embodies the townspeople’s determination to survive the winter.
(まち)人々(ひとびと)(ふゆ)()()るための決意(けつい)体現(たいげん)する儀式(ぎしき)ともいわれています。

You can get a glimpse of the quiet battle of the snowy country.
雪国(ゆきぐに)(しず)かな(たたか)いを垣間見(かいまみ)ることができます。

It’s almost the season for delicious boiled daikon radish.
そろそろ美味(おい)しい大根(だいこん)煮物(にもの)美味(おい)しい季節(きせつ)です。

Eating lightly boiled daikon radish and miso soup for breakfast may bring Kanazawa’s winter scenery a little closer to home.
朝食(ちょうしょく)(かる)()大根(だいこん)味噌汁(みそしる)()べれば、金沢(かなざわ)(ふゆ)景色(げしき)(すこ)身近(みぢか)(かん)じられるかもしれません。

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❄️ 金沢・長町武家屋敷跡「こも掛け」の関連情報

1. 「こも掛け」の目的と詳細

長町武家屋敷跡の「こも掛け」は、金沢の冬の風物詩として知られています。

  • 保護の対象: 主に武家屋敷界隈の土塀(土壁)
  • 最大の目的: 金沢に降る水分を多く含んだ「ぼたん雪」や凍結による土塀の損傷を防ぐこと。雪の水分による劣化や、土塀に付着した積雪による土の剥がれを防ぐ役割があります。
  • 使用される材料: 稲藁(いなわら)を編んで作った「薦(こも)」と縄。
  • 作業の時期: 例年、本格的な冬の到来を告げる12月最初の週末から開始されます(2025年も12月6日・7日に予定)。
  • 設置期間: 翌年の3月中旬頃まで設置され、冬の装いとなります。
  • 規模: 総延長およそ1.1キロにわたり、市から委託を受けた職人や金沢職人大学校の研修生などによって、手作業で丁寧に取り付けられます。
  • 歴史的背景: 金沢市が40年近く前から観光振興と景観保存のために本格的に実施しているもので、伝統技術と文化によって金沢の景観が守られています。

2. 金沢の冬の伝統・風物詩

「こも掛け」と並び、金沢の冬の風情を彩る伝統的な冬支度には、「雪吊り」があります。

  • 雪吊り(ゆきつり):
    • 場所: 日本三名園の一つ兼六園金沢駅など、市内各所の庭木。
    • 目的: 湿った雪の重みで木の枝が折れないように、芯柱から縄を吊り下げて枝を補強する伝統技術です。
    • 時期: 毎年11月から12月中旬にかけて熟練の庭師によって行われます。
    • 特徴: 特に兼六園では夜間のライトアップも行われ、幻想的な風景が楽しめます。

3. 金沢の冬の味覚・食文化

ご提示の内容の最後に触れられているように、冬の金沢は食文化も豊かです。

  • カニ料理:
    • 加能ガニ: 石川県で水揚げされたブランドもののズワイガガニ。
    • 香箱ガニ(こうばこがに): 小ぶりなメスのズワイガニ。漁期が11月から12月下旬と短く、貴重な冬の味覚です。
  • 金沢おでん: 車麩(くるまふ)、赤巻、ふかし、ひろず、バイ貝、加賀野菜の源助大根など、金沢ならではの具材が入った、寒い冬にぴったりの郷土料理です。
  • かぶら寿し: 塩漬けにしたかぶら(かぶ)に寒ブリなどを挟んで発酵させた、年末年始に親しまれる金沢の伝統的な冬の料理です(寿司というよりお漬物に近い食感です)。
  • のど黒: 高級魚の「のど黒」は、炙り丼や刺身、煮付けなど様々な調理法で味わえます。

🌲 金沢の冬の伝統美「雪吊り」

「雪吊り」は、金沢の冬支度を象徴する重要な伝統技術であり、観光客にとっても見逃せない冬の景観です。

1. 雪吊りの目的と技術

項目詳細
目的北陸地方特有の重く湿った雪(ぼたん雪)の重みで、大切な庭木の枝が折れたり、形が崩れたりするのを防ぐため。
場所主に兼六園を始めとする、金沢市内の多くの日本庭園や公園。
技法「りんご吊り」と呼ばれる独特の技法が用いられます。樹木の中心に立てた「芯柱(しんばしら)」の先端から、何百本もの藁縄を放射状に下ろし、枝一本一本を吊って補強します。
使用材料芯柱には主にアテ丸太、吊り縄には地元産のわら縄(約4トン)が使用されます。
美しさ機能的な目的だけでなく、均整の取れた幾何学的な円錐形を描くその姿は、冬の庭園の景観美としても高く評価されています。

2. 兼六園の雪吊り(日本の冬の風物詩)

兼六園は、金沢の雪吊りの代名詞とも言えるスポットです。

  • 作業開始時期: 例年、111から作業が開始されます。これは冬の訪れを告げるニュースとして広く知られています。
  • 主要な樹木:
    • 唐崎松(からさきのまつ): 兼六園随一の枝ぶりを誇り、特に大規模な雪吊りが施されます。高さ約14mの芯柱から、約800本の縄が張られる様は圧巻です。
    • 玩月松(がんげつまつ)、根上松(ねあがりまつ)なども雪吊りの対象となります。
  • 作業期間: 庭師や造園技師など延べ約500人が関わり、12月中旬頃までに園内約800か所への設置が完了します。
  • 展示期間: 3月中旬頃まで設置され、春の訪れとともに取り外されます。

3. ライトアップと幻想的な景色

雪が降った夜の兼六園の雪吊りは、特に幻想的な美しさを放ちます。

  • 夜間無料開放: 期間限定で行われる「金沢城・兼六園ライトアップ~冬の段~」の期間中、雪吊りされた樹木が照らされ、日中とは異なる趣の「金色の雪吊り」として鑑賞できます。
  • 雪化粧: 雪が積もった後の早朝に訪れると、雪吊りの縄に雪が積もり、雪吊りが一層際立つ絶景を見ることができます。

「こも掛け」が土壁の保護であるのに対し、「雪吊り」は樹木を守る知恵であり、どちらも金沢の冬の伝統的な景観を形作る重要な要素です。

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